“辞めない人材”の集め方とは?福祉業界における定着率の高い採用手法を徹底解説

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「せっかく採用できたのに、すぐ辞めてしまう…」
そんな悩みを抱えていませんか?

福祉・介護業界では、採用そのもの以上に「定着」に頭を悩ませる事業者が後を絶ちません。実際に、介護職の離職率は20%前後と全産業平均を大きく上回り、慢性的な人手不足の一因となっています。

しかし本当に必要なのは、“辞める前提での採用”ではなく、“辞めない人材”を惹きつけるための採用設計です。

このコラムでは、

・なぜ福祉業界で人が定着しないのか

・辞めない人材に共通する特徴とは?

・採用から定着までの仕組みづくりの具体策
などを、現場の視点と実例を交えて徹底的に解説します。

「採用がゴール」ではない、「本当に意味のある採用」とは何か。
いま一度、見直すきっかけとして、ぜひ最後までご覧ください。

福祉業界の人材が定着しない理由とは

福祉業界の離職率はなぜ高い?

福祉業界の離職率は全産業平均と比べても高く、特に介護職では20%前後の離職率が続いています。背景には、業務の身体的・精神的負担、賃金の低さ、人間関係の難しさなどが複雑に絡み合っています。

また、福祉職は「人と深く関わる仕事」であるため、やりがいと同時にストレスも生じやすく、心身の状態が定着に直結するのが特徴です。


採用ミスマッチが起こる3つの原因

人材が定着しない大きな原因のひとつに、「採用時のミスマッチ」が挙げられます。これは、事業所と応募者の間に認識や期待のズレがある状態のことを指します。ミスマッチが起きる主な要因には、以下の3つが挙げられます。

情報不足による誤解
求人票や採用ページで伝えきれていない仕事内容・職場環境に対して、応募者が勝手にポジティブなイメージを膨らませてしまい、入職後に「思っていたのと違う…」と感じてしまうケースが多発します。

価値観のズレ
「利用者に寄り添いたい」「穏やかな仕事がしたい」といった志望動機を持つ応募者が、実際には忙しさや多忙なシフト、ルーチンワークの多さに圧倒されることがあります。こうした価値観や期待のズレは、短期離職の直接的な引き金となります。

人物像の見極め不足
スキルや資格に着目して採用した結果、現場の雰囲気やチームとの相性が合わずに馴染めなかったり、仕事の進め方にすれ違いが生まれたりすることもあります。面接時に「人柄」「志向性」などのソフトスキルを見極める工夫が不足している場合、ミスマッチの確率が高まります。

「入職前とギャップがあった」が定着に影響する

早期離職の最大の要因とも言えるのが、“入職前の期待”と“入職後の現実”のギャップです。実際、業界問わず多くの退職理由として「イメージと違った」「実態を知らなかった」という声が挙がっています。特に福祉の仕事は、外からは「人のためになるやりがいのある仕事」という印象が強い一方で、現実は時間的・体力的に過酷で責任も重い仕事です。

このギャップがあることで、「頑張ろう」と思って入ったはずの職員が、1ヶ月も経たないうちに退職してしまう…。これは、本人の意欲の問題ではなく、情報提供や職場体験の不足が原因である場合がほとんどです。そのため、「できるだけ多く応募を集めたい」と思うあまり、実態をぼかした求人やポジティブすぎる表現ばかりを使うことは、結果的に離職率を上げてしまう要因にもなります。“正直に伝える採用”こそが、結果として定着率向上への第一歩になるのです。



辞めない人材にはどんな特徴があるのか

採用活動において「すぐに辞めない人を採用したい」という願いは、多くの福祉事業所に共通しています。しかし、離職率の低い人材には一定の傾向があり、単に“優秀そうな人”や“経験がある人”を採用すればよいというわけではありません

ここでは、実際に現場で長く活躍している職員の特徴をもとに、「辞めない人材」の共通点を整理します。

価値観・理念に共感している

福祉の仕事は、「誰かの人生に深く関わる」仕事です。そのため、給与や勤務条件といった表面的な要素だけでなく、「なぜこの仕事をするのか」「誰のために働くのか」といった内面的な動機(=価値観)が非常に大きな役割を果たします。

採用の際には、法人の想いや使命を明確に発信し、それに共感できる人材を引き寄せる工夫が重要です。理念や行動指針が採用コンテンツに明確に組み込まれているか、いま一度見直してみましょう。


職場の雰囲気や人間関係に安心感がある

「人間関係」は、離職理由の中でも特に影響の大きい要素です。
仕事の忙しさや給料面の不満は、ある程度は制度や労務調整で解決できますが、「職場の人間関係がしんどい」「誰にも相談できない」という心理的な孤立感は、心の消耗に直結します。

反対に、長く定着している職員は、必ずといってよいほど、職場に対して何らかの“安心感”を持っています。

・「先輩に何でも聞ける雰囲気がある」

・「チームで支え合う文化がある」

・「失敗しても怒られず、振り返る機会がある」

このような心理的安全性が保たれている職場では、たとえ仕事が大変でも、人は自然と頑張り続けられます。福祉業界では、感情労働が多く発生します。そのため、職場の「空気感」こそが、定着を大きく左右する無形資産とも言えるのです。



将来のキャリアを見据えて働けている

もう一つ、辞めない人材に共通するのは、「自分の成長やキャリアについて、ある程度の展望を持っている」という点です。

とくに若手〜中堅職員にとって、「今の仕事がこの先のキャリアにどう繋がるのか」は非常に大切な視点です。

・「この経験を積んで、将来はサービス管理責任者を目指したい」

・「障がい福祉の分野で、専門性を高めていきたい」

・「子育てが落ち着いたら、パートから正社員に戻りたい」

このように、自分の未来に希望を持てている職員は、途中で辞めずに踏ん張れる可能性が高まります。

逆に、「今のままここで働き続けても、何も変わらない」という諦めの感情が芽生えると、モチベーションは急速に下がっていきます。

したがって、法人側としては、キャリアパスの見える化資格取得支援・評価制度の整備を通して、職員に「ここで成長できる」という実感を提供する必要があります。


定着率を高める採用手法とは

「採用ができたから終わり」ではなく、「その人が定着して活躍できるか」までを見据えて設計するのが“本質的な採用”です。
採用活動の段階から“辞めない人材”を引き寄せる仕組みを整えておくことで、採用後のフォローに頼りきらず、早期離職を大きく減らすことが可能になります。

ここでは、採用前の3つのフェーズに注目しながら、定着率を高めるための具体的な手法を紹介します。

求人票・採用LPで“共感”を生む情報発信を

応募者は求人票や採用サイト(LP)を通じて、職場のイメージをふくらませています。その第一印象の良し悪しが、「応募するかどうか」だけでなく、「働き続けられそうか」という将来イメージにも影響します。

しかし、福祉業界の求人票には、「やりがいがあります」「アットホームな職場です」といった抽象的・画一的な表現が並ぶケースが多く見受けられます。これでは、求職者の心に響かず、差別化もできません。

一方で定着率の高い事業所は、「自分たちの職場で大切にしていること」や「リアルな現場の空気感」を、できる限り具体的に伝えようとしています。たとえば:

・「月に1回、“おやつ会”という informalな場で職員全員がフラットに交流しています」

・「10年以上勤めているスタッフが全体の30%以上を占めます」

こうした具体的な情報は、共感を呼び、「ここでなら自分も働いていけそう」と安心感を与える材料になります。また、採用ページでは職員インタビュー・1日の流れ・代表メッセージ・写真や動画などを活用し、視覚的に“職場のリアル”を伝えることで、より深い信頼を得られます。




面接ではスキルより「志向性」を見極める

採用面接の場では、どうしても「経験年数」「保有資格」「前職の実績」などの“スキル面”に目が行きがちです。しかし、長期的に定着する人材を見極めるには、スキルよりも「価値観・志向性の一致」が極めて重要です。

たとえば、次のような質問を面接で取り入れることで、応募者の仕事観を深く知ることができます:

・「どんなときに“仕事のやりがい”を感じますか?」

・「どんな職場なら、長く働けそうだと感じますか?」

・「これまでの職場で、大変だったことはどう乗り越えましたか?」

こうした対話を通じて、応募者が組織の文化や価値観に馴染めそうかを見極めることが、ミスマッチを防ぐ最大のポイントです。

さらに、応募者側にとっても「きちんと自分を見てくれている」という感覚が得られることで、入社意欲が高まり、入職後の満足度やモチベーションにも好影響を与えます。


入社前に“リアルな現場”を体験・理解してもらう

実際に働いてみるまでは分からない部分が多いのが、福祉の現場です。
そのため、可能であれば職場見学やスタッフとの座談会などを実施し、応募者が現場の空気感やチームの雰囲気を肌で感じられるようにしましょう。

「現場で働く自分」を具体的にイメージできるようになると、入社後のギャップが減り、早期離職のリスクを大幅に軽減できます。

また、事業所側にとっても、応募者の雰囲気・姿勢・職員との相性を事前に把握する貴重な機会となり、相互理解が深まることでミスマッチのリスクも減らせます。


採用後の「フォロー体制」が定着率を左右する

いくら丁寧に採用を行っても、「入職後の体験」が悪ければ、早期離職は避けられません。
とくに福祉業界では、業務の特殊性や感情労働の負担も大きく、最初の1~3ヶ月間が定着のカギを握る非常に重要なフェーズになります。

職員が「ここで働き続けられそう」と思えるようになるには、安心して仕事に慣れ、信頼関係を築けるまでの支援=フォロー体制が不可欠です。
以下では、現場で実践できる3つの主要なフォロー手法をご紹介します。


オンボーディング(入職後1〜3ヶ月)の設計

オンボーディングとは、新入職員が早期に職場に適応し、パフォーマンスを発揮できるように支援する一連の仕組みのことです。
特に福祉業界では、以下のような課題に直面しやすいため、意識的な設計が重要です:

・「最初から利用者対応を任され、何が正解かわからない」

・「誰に相談していいか分からず、孤立感を抱いた」

・「研修が形式的で、現場とのギャップが埋まらなかった」

こうした状況を防ぐには、入職前〜入職後3ヶ月のスケジュールと支援内容を可視化し、安心感を与えることが効果的です。

最初の3ヶ月間に「誰が・いつ・何をサポートするか」をあらかじめ決めておくことで、新人の不安を軽減し、離職防止に大きくつながります。


メンター制度やOJTの整備

新人が安心して仕事を覚え、相談できる環境づくりには、メンター(相談役)やOJT担当者の役割設定が非常に有効です。
とくに、次のようなケースに対処するためには、明確な支援体制が求められます:

・「困っても忙しそうで声をかけにくい」

・「OJT担当者によって指導の質がバラバラ」

・「ちょっとしたことでも孤独を感じてしまう」

こうした問題を防ぐためには、以下の2点がポイントになります。

固定の相談相手(メンター)を設定する
「この人に相談してOK」という役割を明確にし、毎週1回でも定期的に話せる時間を設けることで、心理的な安心感が高まります。年齢や立場の近い職員が理想です。

OJTの指導をマニュアル化・標準化する
OJTに任せきりにせず、「どのタイミングで何を教えるか」「見守る・指導する・自立させるの順序」などを明文化しておくと、担当者の負担も減り、新人への伝達もスムーズになります。

こうした**「教える側」の支援も行うことが、結果的に職場全体の育成文化を育てる第一歩**となります。


定着に強い組織づくりに必要な視点

採用やフォロー体制をいくら整えても、根本的な“組織そのもの”が働きづらい環境であれば、人は定着しません。
逆に言えば、「ここで働きたい」「ここなら続けられる」と感じられる職場文化や組織風土を育てていくことこそが、最大の離職防止策になります。

ここでは、定着に強い組織をつくるために重要な3つの視点をご紹介します。


職員が“尊重されている”と感じられる仕組みをつくる

福祉の現場は、どうしても「利用者ファースト」が強調されがちですが、職員が大切にされていない職場では、良質な支援は実現しません
実際、「現場で頑張っても評価されない」「意見を言っても聞いてもらえない」と感じた瞬間に、職員の心は離れていきます。

定着率の高い職場では、次のような“尊重の文化”が根付いています:

・職員同士が感謝やねぎらいの言葉を日常的に交わす

・ミーティングで新人・ベテラン関係なく意見が出せる

・「〇〇さんのこういう行動がよかった」と行動ベースで称える

このような文化は、トップやリーダーが「普段から見ているよ」「あなたの頑張りをちゃんと理解しているよ」という姿勢を示すことで育っていきます。

つまり、制度や仕組みだけでなく、日々のコミュニケーションこそが“辞めない組織づくり”の土台になるのです。


多様な働き方を受け入れる柔軟性を持つ

福祉業界では、若手からベテラン、子育て世代、副業希望者、介護と仕事を両立する人など、多様な背景を持つ人材が働いています。
こうした人たちが、それぞれの状況に応じた働き方を選べるような柔軟な体制があることは、定着において非常に大きな意味を持ちます。

たとえば:

・時短勤務・週3勤務・曜日固定などの柔軟なシフト制度

・在宅での記録入力・事務作業の導入

・パートから正社員への転換ルートの整備

・子育てや介護との両立を支援する制度(託児補助、急な休みへの理解)

「こうでなければ働けない」ではなく、「あなたに合った働き方を一緒に考える」組織は、職員に選ばれ続けます。

制度の整備だけでなく、日々の「融通の効きやすさ」や「相談しやすさ」も定着を後押しする大きな力となります。

“育てる前提”の組織文化を育てる

福祉業界は専門性が必要とされる分野である一方、「即戦力」を求めすぎる風潮が根強く残っています。
その結果、「未経験は不安」「間違うと怒られる」「新人にかける時間がない」といった空気が生まれ、学ぶ側も教える側も疲弊してしまう悪循環が起きがちです。

一方で、定着率の高い法人は、“育てる前提”で組織づくりをしています。

・「初めからできる人はいない」という共通認識

・「失敗を責めない」ことを全体で共有

・「わからないことを聞ける」「聞かれたら喜ばれる」文化

このような土壌があることで、未経験でも安心してチャレンジでき、ベテランも「育てることが自分の役割だ」と納得して関われるようになります。“育つ人材”が定着し、組織の中核になっていくことで、好循環が生まれます。
だからこそ、「育てる文化の醸成」は、中長期的に見て最も費用対効果の高い定着施策と言えるのです。

採用に課題を感じている福祉事業者様へ

福祉業界において、「人が辞めてしまう」のは避けられない現象ではありません。

むしろ、採用の段階から“辞めにくい人材”を見極め・惹きつけ・定着させる仕組みを整えることで、離職率は確実に改善できます。

コプラットでは、福祉業界に特化した採用支援のプロフェッショナルとして、“辞めない人材”を惹きつける仕組みづくりを多数ご支援してまいりました。

採用ページや求人票の見直し

採用LPやSNSを活用した応募導線の設計

面接スクリプトや入社後フォロー体制の構築

定着率を上げる職場づくりコンサルティング など

どこから着手すべきか分からない方には、まずは無料個別相談をご用意しております。
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